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週刊【もりやん】 第六週
2021年11月29日(月)
子供のころ、ときどきだが、死んだ親父が街の寿司屋に連れて行ってくれた。
今でも好物だが、子供のころからウニやイクラが好きだった私は、そればかり何度も繰り返し注文したものである。
「高いもんばっかたのみやがって」と、親父は嬉しそうにカウンター越しの大将に言って笑う。
ちなみに弟は、玉子やかっぱ巻きばかり注文する、コスパの良い子供であった。
今でも好物だが、子供のころからウニやイクラが好きだった私は、そればかり何度も繰り返し注文したものである。
「高いもんばっかたのみやがって」と、親父は嬉しそうにカウンター越しの大将に言って笑う。
ちなみに弟は、玉子やかっぱ巻きばかり注文する、コスパの良い子供であった。
清潔感のある店内と小綺麗で凛とした大将。
ニコニコとしていて優しい女将さん。
二人ともピシッと姿勢が正しくて、威勢がいい。
ニコニコとしていて優しい女将さん。
二人ともピシッと姿勢が正しくて、威勢がいい。
子供の居て良い場所ではない。
街の寿司屋は大人の社交場なのだ。
街の寿司屋は大人の社交場なのだ。
子供ながらにそういう空気感はわかった。
だから嬉しいのに緊張もする。
だから嬉しいのに緊張もする。
寿司屋は粋な聖域。
静かなのにリズミカルな感じがした。
静かなのにリズミカルな感じがした。
あるとき。
近所の大山ハッピーロードに回転寿司ができた。
回転寿司の黎明期の頃である。
近所の大山ハッピーロードに回転寿司ができた。
回転寿司の黎明期の頃である。
お袋が買い物ついでに連れて行ってくれた。
ラーメンがいいか?お寿司がいいか?と問われ、私は迷わずお寿司を選んだのである。
結構混んでる。
皿に乗った寿司が、次々と目の前を通り過ぎてゆく。
子供にとってその光景は、ワクワクするしとてもキャッチーだ。
お袋からは「ここのお寿司はたくさん食べていいよ」と言われた。
どういう意味かよく分からなかったが、たくさん食べていいという言葉自体がエキサイティングだった。
そして、言われた言葉どおりたくさん食べる私を見て、お袋もまた嬉しそうに笑った。
皿に乗った寿司が、次々と目の前を通り過ぎてゆく。
子供にとってその光景は、ワクワクするしとてもキャッチーだ。
お袋からは「ここのお寿司はたくさん食べていいよ」と言われた。
どういう意味かよく分からなかったが、たくさん食べていいという言葉自体がエキサイティングだった。
そして、言われた言葉どおりたくさん食べる私を見て、お袋もまた嬉しそうに笑った。
以来、大山ハッピーロードに連れてかれると『まわるお寿司が食べれるかもしれない!』と密かに興奮したものである。
大人になっても何年かに一度は夢に見る光景だから、大山ハッピーロードの回転寿司は、子供時代の私にとってとても印象深いものだったのだろうと思う。
「高いもんばっかたのみやがって」と言って笑う親父
「ここのお寿司はたくさん食べていいよ」と言って笑うお袋
職人さんが握ったシャリのように、寿司には幸せな思い出がギュッと詰まっているのである。