私の好きな信長の逸話がある。
並みいる歴戦の武将たちと宴会だか会議だかをしていたとき。
話題が「誰が一番の武辺者か?」という話しになった。
柴田勝家だとか丹羽長秀だとか、いかにもな強そうな武将の名前が皆の口をついて出るのだが、そこへ一人の名も無き侍が入ってくる。
小姓なのかなんなのか?とにかくメジャーじゃない侍です。
彼は床に落ちている紙屑か何かを見つけ、サッと拾い片付けて、立ち去ったそうです。
信長は言いました。
「奴が一番の武辺者だ」と。
信長にとって、有能な者というのは『気付く者』すなわち『気の利く者』だというエピソード。
この逸話の真偽のほどは分かりませんが、若い頃この逸話を知った私は、全力で『気の利く者』を目指したものです。